闇もどき部屋へようこそ
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ハイネは愛しさを伝えるための口づけを終えると、下へと移動してカガリが履いているパンツ(ズボン)を脱がした。そしてそのまま、カガリの太ももを手と舌を使い愛撫しだした。そうしながらもう片方の手がカガリの股下へと伸びてショーツの上から割れ目を指でなぞった。
「‥‥あっ////!」
愛し合う行為は普通の流れ、だから受け入れられると思った。‥‥だのに‥‥なんで‥‥?カガリはこの行為に耐えきれず身体を起こした。
ハイネは困惑した表情を浮かべ、カガリに問いかけた。
「どうした?」
「ーーわっ私もやっぱりシャワーを浴びてくる!」
「‥‥今更?」
「//////ごっごめん」
既にホテルの部屋に居るわけだ、だから急ぐこともない。抱くことには変わらないーー、そう結論づけてハイネは了解した。
「//ありがとう‥‥」
カガリは慌ただしくベッドから降りた。
**
カガリはパウダールームへ駆け込むと、すりガラス仕様になっているドアを閉めた。ちなみに鍵はついてない。
一人になって、腰が抜けたように、その場に座り込んだ。
アスランのことは忘れてハイネと付き合うと決めたのに‥‥どうしてハイネじゃダメなんだ?と考えてみるが、わかり切った答えにカガリは大きく溜め息を吐いた。ーー本心は嘘がつけないってことだ。
‥‥ハイネには悪いけど黙って部屋から出よう、カガリはそれしかないと考えた。
パウダールームは玄関に近く、ベッドの前を通らなくてもいい。
カガリは立ち上がる。だがそこでパンツを履いてなかったことに気がついた。
‥‥しまった。カガリは脱がされていたことをすっかり忘れていた。
これじゃ部屋の外に出られないじゃないか、どうしよう?カバンは後からでもなんとかなるかと思ったけど、パンツなしでは廊下は歩けないーー。
‥‥あの時‥‥アスランから電話があった時に、意地を張らずに素直に自分も会いたいと伝えればよかった。なんであんなこと言っちゃったんだろう、と絶望と後悔がカガリを襲った。
‥‥けど会ってまた愛人関係に戻るのか?それが耐え切れないからアスランの元を去ったんじゃなかったのか?
カガリは出ない答えに項垂れた。
**
カガリがパウダールームへ行ったきり、不自然過ぎるほど静かだったのが気になりハイネが様子を見に行けば、パウダールームは暗かった。しかし、カガリが中にいる気配はあった。
「ーーどうしたんだ、中の電気も点けないで。開けてるぞ‥‥」
( ※説明補助:パウダールームの入り口は、玄関の入り口の近くにある。玄関の入り口の上には照明が点いており明るい。だからパウダールームの中もその照明の明るさがすりガラスのドアを通して、真っ暗ではなく薄暗いといった感じである。)
カガリはハイネの声を聞き、慌てて開かないようにドアを手で押さえながら、ドア越しにハイネに伝えた。
「‥‥私、好きな人を忘れるためハイネの気持ちを受け入れようとした。本当にごめんなさい」
ハイネにしたらそこを利用したのだから、はじめからわかっていたことだ。
「‥‥それって俺とは付き合えないってことか?」
カガリは必死に言葉を探しながらハイネに気持ちを伝えた。
「‥‥ハイネのことは嫌いじゃないんだ。どちらかと言うと好きだと思う。だから付き合ってみようと思った。けどやっぱりごめんなさい‥‥」
ハイネはカガリが想いを寄せる男の影に嫉妬した。ハイネがドアを開けようとするが、カガリも中から押さえていた。
「先ずそこから出てこい。そしてちゃんと話合おう」
なんとなく開けたらいけないような気がしてカガリはドアを押さえたままだった。しかし、男の力には勝てず、ドアは開けられた。
「カガリーー」
「ごめんなさい」
そう言って、カガリは深々と頭を下げた。
ハイネは硬い表情を浮かべながら、意図的に開いたドアを閉めた。そして、改めてカガリを見つめると言った。
「その男のことは、俺が忘れさせてやる」
「えっ!?」
「どんな奴か知らないけど、俺、そいつに勝つ自信はあるから・・・」
そう言うとハイネは、洗面台の横の空いたスペースの場所に、いきなりカガリを力ずくで仰向けにして押し倒すと、カガリの両手を押さえつけた。
「・・・ハっハイネ・・・いやあっ──・・・」
ブリッジのようなこの体勢から身体を起こすことは難しうえに、最悪なことに両足の間にハイネの足が割り込まれ、カガリは逃げられない状態になった。
「ここじゃ優しくできないけど、仕方がないよな」
ハイネは顔をカガリの首筋へ寄せると、カガリの身体を覆い動かないようにした。そして、片方の手を離し、カガリのショーツに手をかけて小さな布を横にずらし、自身の雄を押し当てようとした。
カガリは自由になった手を伸ばし、洗面台の蛇口のハンドルレバーに触れた。すると水が勢いよく流れ出た。
ハイネはそれに驚き水を止めようと、そっちに気を取られ、カガリを押さえつけていた身体が緩んだ。
カガリは身体をひねり、囲うハイネから抜け出すと、水が勢いよく出ている蛇口の下を手で押さえて、その水をハイネにかけた。
「わぁ~やめろ!カガリ!!」
ハイネはどうにか水を止めたが、二人はびしょ濡れになってしまった。無茶苦茶なことをするカガリに呆れるが、抵抗されればされる程、男心を煽られ、ハイネはどうしてもカガリを抱きたくなった。
「‥‥カガリ、ここまで来といて、諦めが悪くないか?」
「ごめん‥‥」
「謝るぐらいなら抱かせろ。カガリを満足させるだけの自信はある」
「嫌だ!」
頑なに断固拒絶するカガリの態度に、優しさも我慢の限界か、ハイネは抵抗するカガリの腕を掴んだ。
「やっぱりベッドの方がいいだろう?」
カガリは嫌だと顔が青ざめ引き攣った。
**
だがその時、けたたましく連呼でチャイムがなり、開くはずのない玄関のドアが開いた。そして、誰かが部屋に侵入した気配を感じた。
それに驚き二人はただ静かに立ち尽くした。
入って来た侵入者はそのまま奥の部屋、所謂ベッドがあるところへ歩いていった。パウダールームの中は明かりが点いてない状態だったから相手もここに人が居るとは気づかず、素通りしていったようだ。
ハイネはカガリから手を離した。
「見てくる。危ないかもしれないから、絶対にここから動くなよ」
奥の部屋の明るさは、ベッドの横にある照明だけが薄っすらと点いた状態だった。ハイネは壁に付いている照明のスイッチを入れて、部屋全体を明るくした。
ベッドの前に立つその姿をみれば明らかに男だった。
ハイネは背後から声をかけた。
「‥‥誰だおまえは?‥‥泥棒か?」
ハイネは自分で言いながら、本当に泥棒だったら、チャイムなど鳴らさないだろうな、とふと思った。そして、振り返る男を睨みつつ、ハイネは用心深く身構えた。
男は振り返ると、バスローブ姿のハイネを見て、険しい顔をみせた。
ハイネはその男の睨む目に一瞬たじろいだが、勝手に入ってきた男の方が明らかに悪いと毅然とした態度で言った。
「警察を呼ぶぞ!」
男はそれに対して無反応と言うより無視だ。ハイネが怒りを露わに再度問うが、男は全く応える様子を見せず、太々しい態度を見せた。
ハイネは用心しながら男を取り押さえようと近寄れば、いきなり男が口を開いた。
「カガリ、どこだ?さっさと出て来い!」
2023年6月10日 修正済