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secret crescent

闇もどき部屋へようこそ

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小説「素直になれなくて」7話


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 アスランの姿がないことを確認してから部屋を出た。彼は多分会社に行ったようだ。


流石にこのままでは出かけられない。悪いと思いながら‥‥いや私が悪のではなくあっちがこんなことをしなければシャワーを使うことはなかったはずだ、とカガリは理由を付けてシャワーを使わせてもらうことにした。
そして、シャワーを浴びて出てこれば、入るときには気づかなかったが、なぜかバスタオルが洗面台の空いたスペースの上に置いてあった。アスランが使ったと思われるバスタオルは無造作にかごの中にあった。

置いてあるこのバスタオルを使えばいいてことか?

濡れた躰をバスタオルで拭きとると、髪を乾かしながら、鏡に映る自分を見つめて、手が止まった。

私はこれからどうすればいいんだ?

 

──あのアパートに戻って一人で生活するには今はまだ怖い。‥‥頼れる人が誰もいない。そう考えると今はここしかない。悔しいがアスランの所以外に行く場所がない。

 

髪を乾かし終えると、ふと洗濯機が目に入った。

ーーベッドのシーツは赤い染みがついている。このまま放置するのもなんだか気が引けた。それに恥ずかしさもある。

カガリはシーツとバスタオル2枚を洗濯機で洗うことにした。だが問題はドラム式洗濯機だった。

ーーどう使うんだ?あっ、洗剤は?と辺りを見渡せば、洗濯機の説明書が入った一式が洗濯機と壁の間に放置されているのを見つけた。

洗剤は自動らしい。だからたぶん洗剤は投入されているはず。
何とかセットは出来たので、あとは放置ですむ。乾燥までやってくれるから帰宅したら取り出すだけだ。ちなみに汚れた箇所は先に手でもみ洗いをしておいた。

カガリも仕事へ行くため身支度をした。仕事は朝11時~夜8時までだ。

玄関の鍵はどこだ、と探せばソファの上にメモ用紙がおいてあった。そこには数字が書いてあった。一つはエントランス用、もう一つが玄関の鍵の番号。


ーーそっか。確かオートロックだったような‥‥。鍵ではなく、テンキーで暗号番号を打つタイプの鍵なんだとわかった。

カガリは鍵の暗証番号を暗記する。しかし、忘れると困るので、携帯にメモっておいた。そして、仕事に向かった。玄関のドアは閉めれば自動に施錠した。

今居るマンションの場所はよくわかってなかったが、窓から見えた景色に見覚えがあった。だからここは多分、仕事場に近い場所なんだと言うことがわかった。本当に偶然だった。これなら歩いて行ける。ここから会社に行くまでに臨時の交通費がいくら必要になるかと心配だったが、ほっとした。


仕事が終わると猛ダッシュで何時ものバス停へと向かった。その甲斐あって一本早いバスに乗ることが出来た。カガリは自分のアパートに必要な荷物を取りに戻った。

やはり鍵は開いたままの状態だった。今度は用心深く中に誰も居ないことを確認してから入った。散らかった部屋を片付け、必要な物だけを鞄に詰め込んだ。鍵を閉めたことを確認して、近くにある大家さんを訪ねて一言挨拶に行った。伺うことは先に電話で伝えておいた。
「わけあってしばらくの間、友達の所へ行ってます。ですのでアパートはしばらくの間、留守になります」
そう言って、菓子折りを渡した。
「わざわざありがとうね。もしチラシがいっぱいになってたら捨てておきますね。大事なものは別にして取っておくので、帰ってきたら声をかけてね」
「お願いします」ポストに無駄なチラシがいっぱい入れられる。

優しい老夫婦がアパートを運営しており、アパートの通路などを掃除に来ていた。その時、もしポストにいっぱい溜まった様子を見れば大家さんが心配するといけないと思って伝えておいた。

 

**

 

マンションに帰れば、アスランはまだ帰ってなかった。ホッとため息が出た。──抱かれなくて済む。

先に洗濯機から取り出し、ベッドに乾いたシーツを敷いておいた。それから借りる部屋に入り、持ってきた荷物を置いた。持ってきたものは最低限必要なものだけだから、そんなにはなかった。
気付けば時間は23時を過ぎていた。アスランはまだ帰って来ない。どうしようかと思ったが、シャワーを浴びてすっきりしたかったので、使わせてもらった。使ってるさなかに帰宅されたら怖いので、急いで浴びた。そして、先に寝ることにした。

 

**

 
<朝>


カガリはキッチンで迷っていた。
朝食を準備するべきか、けど、冷蔵庫の中身は見事に何もない。
早く目が覚めたから時間はまだ早い。だから近くのコンビニへ行って何か買って用意するべきか、と。
しかし、どうみてもキッチンは使われた形跡がなかった。使っていると思える物はコーヒーメーカーとレンジぐらいだろうか?だから勝手に使っていいものか、とそのことも迷っていた。

カガリが悩んで唸っていれば、アスランが姿を見せた。

カガリはぎこちない笑みを浮かべて挨拶を口にしようとすれば、いきなり腕を引っ張られて、昨日と同じ部屋に連れ込まれた。そして、カガリは昨日と同様にベッドの上に押し倒されていた。カガリが見上げる先にはアスランの顔があった。


「ちょっと待って、朝だぞ!」

「ここに居るってことは愛人になるんだろう」

「そ、それは‥‥こ、ここに居る間だけだからな!」

こんなことはダメだと分かっているが、仕方がないことだと、自分に言い聞かせた。

「偉そうに言うな。自分の立場をわかっているのか?」

不敵な笑みを浮かべると、アスランはベッドヘットの上に置いてあったペットボトルの水を手に取ると薬のようなものと一緒に口に含み、それを口移しでカガリに飲ませた。


カガリはゴクンと思わず飲みこんだ。

 
「飲んだ?」

「何を一体飲ませたんだ!」

カガリは人に了解も得ず得体のしれない物を飲ませたことに、怒った顔してアスランを見た。


アスランは、ふっと笑みを見せると言った


「相変わらず威勢だけはいいな。ーー昨日は中で出しただろう。だからもしもに備えての薬だ」


カガリはその言葉に驚いた顔を見せた。昨日はそれどころじゃなかったから考えもしなかった。

アスランは話を続けた。
「その薬はピル、アフターピルだ。知り合いに頼んでカガリの名前で登録して処方してもらった。飲みたくないなら妊娠しやすい時期を自分で調べろ。妊娠しやすいその時だけ服用すればいいだろう。説明書があるから後でよく読んどけ、いいな」

「ーーな、中で出さなければいいじゃないか!こ、こ、コンドームをつけるとか?」

なんで私にこんなことを言わせるんだ!カガリの顔は真っ赤になった。

「それは俺が決めることだ」

 

そう言い、カガリの耳元へ唇が触れた。

 

**

 

ーーカガリを全裸にした。それから肌を愛撫しながら堪能するアスランだったが、カガリが声を押し殺して堪えていた。そんなカガリの態度に腹立たしさを感じアスランは命令口調で言った。

 

「口を開けろ」

 
カガリは顔を横に向けて無視をした。

 無視するカガリの顔を掴み、上に向かせた。そして、頬を挟むように握り顎を上げ、無理矢理口を開けさせた。

アスランは自分の指を舐め、それを銜えさせた。

 カガリは驚き顔が歪んだ。無理矢理入れられて噛んでやろうか!と思ったその時アスランが言った。

 「噛んだら追い出すからな。行くとこないよな?」

 

そう脅かされ、カガリの躰が強張った。

 

アスランは薄笑いを浮かべて言った。

 「舐めて」

 カガリは言われるままアスランの2本の指を舐めた。

 言われたように舌を動かし舐めだせば、既に彼の躰はカガリの足を割っていたため、アスランは片肘を付いてバランスをとると、そのままカガリの足を押し広げながら、頗る雄で花びらを割ってゆっくり押し込んだ。


──昨日の今日だ。入れられた際、まだ少し痛さはあったが、昨日ほどではなかった。

 

カガリは声が出せないもどかしさに悶えた。アスランの唇が舌がカガリの乳房を弄ぶせいか快楽が全身を押し上げる。アスランの指がカガリの舌を刺激しているせいか、快楽の息苦しさに顎を上げ喘ぎ出した。

 

「そんなに気持ちいいのか?」

 

どこか楽しそうに笑みを浮かべ、アスランは本格的に腰を律動させた。

 

カガリは快楽を見透かされ羞恥心を煽られる。

アスランはカガリの未知の場所(感じる箇所)を見つけてはそこを突き刺激した。

 

カガリはもう限界とばかりに、瞳からは涙が零れ始め、躰は震え出し、快楽に昇り詰めたい衝動に駆られた。

 

「うううっ・・・」

 

声にならない喘ぎ声にアスランも気づいてか、腰を早く律動させ大きく腰を振って深く貫き吐精した。

 

カガリは快楽の頂点に達した。声が出せない分、息苦しさがあるが何とも言えない快楽が全身を襲った。

 

漸く指を口から抜かれたカガリは荒い息を吐き出した。瞳は潤み、快楽の余韻に浸りながら朦朧と天井を見上げていた。

 

そんなカガリに、アスランの舌先がカガリの唇を舐めて、軽くキスを落とした。

 

「声を我慢するカガリが悪い。また我慢するようなら次はどうしようか?」

 

悪戯めいた笑みを浮かべ、どこか楽しんでいるような瞳を見せた。

 
アスランは会社へ行くため、カガリの側を離れた。だが、ふと思い出したのか、ベッドで横になるカガリに言った。

 

「キッチンは好きに使えばいい。カードを渡しておく。そこから現金を引き落として足りない物は買えばいい」

 

カガリはいきなり言われて驚いた。本来ならカードなんていらない。自分のお金で買う!と言い所だが、そは言えなかった。現実、今のカガリにお金の余裕などはない。気は引けるがアスランの食事もついでに用意すれば少しは気が楽に思えるからそうしようと考えた。

 

「‥‥朝は食べない」

 

一言ぼそっと呟いて部屋を出ていった。

 

アスランの不器用な言い方に呆れつつも、どこか優しさも感じられ、カガリは少し戸惑いを見せた。

彼なりに気を使ってくれたのかな?と思いながら、躰が気怠くて二度寝に入った。ふと目覚めれば、仕事に出る時間だった。慌てて身支度を終えると部屋を出た。
ちなみに台所の上にカードと暗証番号が書かれたメモ用紙が置いてあった。

 

2023年3月15日 修正済

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