闇もどき部屋へようこそ
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カガリはふと背後に気配を感じて振り向いた。そこには、腕を組んで壁に立つアスランの姿があった。
自分を見つめる目とばっちり合う。
カガリは気恥ずかし表情を見せるとソファから立ち上がった。
昨日、自分がやらかしてしまった恥ずかしい行為にぎこちない笑みを浮かべながら、取り合えずお礼を言おうと口を開くが、同時に発したアスランの声にかき消されてしまった。
「──えっ?」
カガリはアスランの言葉に耳を疑った。今アスランは何て言った?カガリは訳が分からないと言った様子でアスランを見つめ返した。
『落ち着くまでここにいてもいい。だが条件がある。俺の愛人になることだ』
カガリは顔を歪めた。
ただ人をからかって楽しんでるだけなんだろうが、人を馬鹿にするにもほどがある。
「どう言う意味だ?」
取り合えず聞いてみた。
「わからないなら教えてやるよ」
そう言うと、アスランはカガリの腕を掴むと歩き出した。
「おい、どこへ行くんだ?」
アスランは何も答えず、部屋の前に連れて来た。そして、そのドアを開ければカガリを部屋に入れた。
そこはゲストルームよりはるかに広い部屋だった。そして、そこには大きなベッドだけが置かれていた。
どこか楽しそうな笑みを浮かべアスランが言った。
「男の朝勃ちは、知っているだろう?」
カガリはこの状況をまだ理解できず呆然と立ち尽くしていたが、頭を振り我に返って睨みつけた。
「ふざけるな──!!」
大声で怒鳴り、隣に立っている腹立たしい男アスランに拳を出したが、今度は容易くよけられ空回りだった。
「そう、何度も殴られるわけないだろう」
呆れたようにクスッと鼻で笑うと、カガリの腕を掴み、そのままベッドへ放り投げた。
カガリはベッドに沈んだが、慌ててベッドから起き上がろうとするも既に遅かった。
アスランは慣れた手つきでシャツを脱ぎ捨てるとカガリの上に四つん這いになり、カガリを見下ろした。
「どう、楽しませてくれる?」
悪戯めいたように口元が上がり、カガリを見つめた。そして、そのままカガリに覆い被さった。
昨日の彼が見せた性格と余りにもギャップが有りすぎて、カガリはまだ信じられなかった。
2023年3月11日 修正済