闇もどき部屋へようこそ
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彼の愛人になってから、2か月が過ぎようとしている。そろそろここから出て行かないと本当にこの関係から抜け出せなくなる。けれどもう一人の自分がこのままでもいい。彼と離れたくないと拒んでいた。彼のことが嫌いのままなら楽だった。こんなに悩むこともなかったーー。
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早朝、ふと目が覚めた。今アスランの部屋のドアが開いたような気がした。
ーー昨日も帰宅が遅かったのにもう起きたんだ。
カガリは起き上がることを躊躇ったが、やはり起きることにした。そして、リビングに行ってみた。そこにはソファに座り本を手にするアスランの姿があった。
その姿に笑みを浮かべる。ーー本が好きだな、と心の中で呟き、リビングに顔をだした。
「おはよう。出社までまだ時間があるならコーヒーを淹れようか?」
カガリはキッチンへ向かった。
アスランはカガリの姿を目で追う。そして、本を閉じた。
「コーヒーはいい。カガリ来て」
「本を読むために早く起きたんだろう?」
「そのつもりだったけどやめた」
カガリは自分を見つめる翡翠の瞳に吸い寄せられるように歩み寄った。これから何をするのかもう分かっているからか、自然と顔が赤くなる。
「下を脱いだら俺の上に跨って」
脱ぐことに対して恥ずかしさはある。けど今更抵抗する気持ちはない。そして、アスランを囲うように両手をソファの背もたれに置いて自分の身体を支えながら膝を付き、言われた通り跨いだ。
素直に従うカガリの姿にアスランは小さく笑みを浮かべた。
アスランの細い指先がカガリのシャツの下に差し込まれた。そして、滑らかな肌を摩りながら二つの乳房に辿ると柔らかさを味わうように弄んだ。
カガリはアスランの掌の動きに順応するかのように反応した。
「──ああっ~やああっ・・・・・・」
既に花びらが濡れ始めるのがわかる。カガリはそんな躰になった自分に羞恥する。
「俺の手にすっかり馴染んだな」
そう言われ、文句を言いたげな顔を見せるも既に瞳は欲に潤んでいた。
アスランは満足したのか胸から手をなすと、今度はカガリの耳の後ろの髪を指ですくい上げた。そして、そのままカガリの顔を自分に引き寄せ唇を重ねた。
カガリから舌を差し入れ、アスランの舌を絡め取る。そのまま深く口づけ合い貪った。そして、熱い息吐が漏れだす中、躊躇うように唇が離れた。
アスランの手がカガリの着るシャツのボタンを外せば、前がはだけて二つの乳房がアスランの顔の前で露となり、突起するピンクの蕾がアスランを誘った。それに応えるようにアスランの舌先が蕾の回りを舐めて愛撫する。そして、口に含み舌を遣い蕾を転がし弄んだ。
カガリは蕾を弄られ快感に震えだし声を上げ出した。
その仕草を見ながらアスランの片掌はカガリの腰のラインを辿りながら彼女の陰部へ。そして、指が茂みを掻き分け甘い蜜の滴る花びらを擦りながら襞を割り指を銜えさせた。
「──ああっあああ・・・・・・」
刺激を求め、奥へ奥へとアスランの指を招き入れるように、カガリも腰を動かす。アスランもその動きに合せ、中で指を掻き回しながらスライドさせ、下の蕾も弄った。
「あああっ・・・やあああああ・・・・・・」
指でイかされ快楽で霞む瞳ーー。カガリは涙で潤みぼやける瞳でアスランを見れば微笑む顔が見えた。
アスランは指を抜き濡れた指をこれみよがしに舌で舐める仕草をカガリに見せつけた。その仕草に顔を赤らめ、カガリは恥ずかしさから瞳を逸した。
熱い吐息を吐き出し、まだ快楽の余韻が残る最中(さなか)、カガリの腰を掴みアスランの頗る雄が押し込まれた。
「──ああっ‥‥やああ・・・・」
イッたばかりの身体はまた昇り詰めそうになったが、震えながらどうにか堪えた。だがアスランが腰を律動させた。カガリの腰が逃げないようにアスランの両手が掴んだ。
「カガリは一人で何回イッた?」とアスランは揶揄した。
達したカガリはアスランの肩に顔を埋め熱い息を吐き出していた。
「‥‥うっ煩い‥‥アスランが悪いんだろう!」と言うのが精いっぱいだった。
アスランはカガリを労わるように片腕で抱きしめ、そして、もう片方の手はカガリの頭を優しく撫でた。
カガリは温かい胸に包まれ幸せを感じていた。
──こんな風に優しくされるから誤解してしまう。唯の愛人だと言うことを忘れてしまう。だから辛い・・・。
アスランがいきなり腰を動かし出した。
「──あっ・・・まっ待ってーー」
カガリは顔を上げた。
アスランは腰の動きを止めて言った。
「何を考えていた?」
カガリは唐突に問われ驚くが、言えるわけもなく、目を逸らし何も答えなかった。
アスランはどこか面白くないとでも言うような不機嫌な声で言った。
「俺に抱かれながら、元彼の事でも考えていたのか?」
ーー違うと、カガリは首を振る。
「まあ、いいか。余所事を考える余裕があるなら大丈夫だな」
どこか不満があるような声で言うと、腰を突き上げ振り出した。それもカガリが感じる部分を擦るように突き出した。
「──やっああああ・・・・・・」
「どうしたい?」
「──ああっアスランと・・・一緒にイきたい・・・」
カガリは快感に吞み込まれそうになりながら言った。
アスランの顔にはどこか満足そうな笑みを浮かべた。そして、快楽から逃げないようにカガリの腰をしっかり掴んだ。カガリが締め付ける場所を更に擦り、律動させ、最後に大きく腰を突き上げた。
「あああ・・・やっああ・・・イく‥‥アスラン‥‥イちゃう──やっあああああ・・・」
アスランもほぼ同時に快楽へと達した。
だが今日はアスランの機嫌を損ねたのか、その後もソファーに倒され、アスランの快楽の思うがまま突かれ、カガリは快楽の波を何度も味わった。
いつになく強すぎる官能にカガリは耐え切れず、行為のさなか何度も気を失った。そして、気づけば自分の部屋で寝かされていた。勿論、アスランは会社に行ったようだ。
カガリは何時になく気怠さを強く感じながら横になっていた。そして、先程アスランの胸の中で包まれていた時のことを思い返した。
──ふと見せる笑顔。真剣に取り向く横顔。椅子に座りうたた寝する無防備な寝顔。そして、何気ない優しさ。そんな彼の人柄にどんどん惹かれていく自分が居る。だからと言ってどうにもならない。アスランから見れば、私はただの愛人に過ぎない。それにきっとアスランには他に好きな人がいる。何となく分かる。夜に抱かない訳は、きっとその誰かを抱いているからだ。
アスランが好きになる女性ってどんな人なんだろう?一度見かけたあの綺麗な女性かな?とふと頭の中でその女性を思い描いたがやめた。
さあ、私も仕事に行かないと・・・。
気怠さが残る躰を起こして、シャワーを浴びるため、パウダールームへ行った。
カガリは鏡に映る自分の姿に顔が赤くなった。それは、躰中に散りばめられた紅い痕跡があったからだ。なぜか旅行へ行った辺りから身体のあちこちに付けられるようになった。
2023年4月26日 修正済